分科会

(2023年度)【記載している所属は当時の所属先です】

■13:00~15:00 分科会

分科会1 「若手教師の実践から学ぶ発達保障」

子どもが教師の働きかけを拒んだり、「問題行動」が激しくなっていくと、子どもの気持ちがわからなくなり、どのように働きかけてよいのか悩み、途方にくれてしまうことがあります。教師になって間もない頃であればなおさらです。周りを見ると、先輩教師と子どもたちが、落ち着いて授業をやっています。その先輩教師からは、「〇〇さんは、いつも声をあげたり、先生をかっちゃいたりしているけど、やめさせないとダメだよ」と言われます。〇〇さんが声をあげたり、かっちゃくのはどうしてなのだろうと、日々思いを寄せて考え、働きかけますが、なかなか解決しません。

子どもの行動の背景にあるねがいを探りながら、そのねがいを実現するために、子どもの気持ちに思いを寄せ、試行錯誤の実践にとりくむ若手教師のレポートをもとに、子どものねがいに寄り添うこと、そのねがいを実現するための子どもと教師の間の相互の働きかけ、その結果である「子どもの変化=発達の事実」を検討していきます。

悩みながら取り組まれた若手教師の実践の中にある発達保障の視点を探るなかで、子どもの発達を支える教育実践とは何かを考え合いたいと思います。また、教員経験の長い方に、若手教師の実践にも触れながら、自身の実践を報告していただきます。

■報告   

「コミュニケーションのとり方と関わり方の葛藤」(仮)      長 嶋 翔 太 さん (特別支援学校教員)

「子どものねがいと教師のねがい~悩み、葛藤を大切にする関係づくり~」(仮) 島  由 佳 さん (特別支援学校教員)   

■共同研究者   田 中 雅 子 さん (北海道教育大学釧路校) 

■司   会   藤 田 明 宏 さん (札幌伏見支援学校)


分科会2 「みんなで語り合おう~日々現場で起きていることから考える権利保障~」

障害者虐待や差別のニュースに「合理的配慮」や「意思決定支援」など、"制度改革はすすんできたはずなのに…"という思いに包まれます。 一方、現場で抱えるジレンマから発達保障や権利擁護との矛盾に悩むことも。働き手不足の今だからこそ、本音で語り合いましょう。福祉の現場で起こっている日々の出来事を分科会に持ち込んでみんなで共有しあう場にしたいと思います。

支援を行う中での喜びや疑問、ちょっと言いたいことがある、など、一人 5分程度の短いレポートにして発表しあいます。その中から、共通点を見つけ出し、今日の福祉の現場で起きていることと、社会のあり方や制度との関係を考えてみたいと思います。

【参加方法】

ご自身の職業(立場)と、日々の実践や暮らしの中での"思うこと"をミニレポートにして

いただき 5 分程度のスピーチをお願いします。

*ミニレポートの公開が可能な方は、オンラインの参加者に画面共有を行いますので、事前に加藤<katouアットnire.or.jp>までレポートのデータをお送りいただけると助かります。

*ミニレポートの作成は必須ではありません。当日"思うこと"を自由に語っていただく形も OK です。

*聞くだけの参加も可能です。話すことが苦手な方もご参加いただけます。

■報   告   分科会②参加者のみなさん

■共同研究者   北 村 典幸 さん(旭川市立大学・社会福祉法人 あかしあ労働福祉センター)

        村 田  修 さん(社会福祉法人 北翔会 札幌すぎな園)

        髙 井 賢 二 さん(社会福祉法人 さっぽろひかり福祉会)

■司   会  加 藤 法 子 さん(社会福祉法人 楡の会)




(2024年度)

■13:00~15:30 分科会

  第1分科会  教育 「みんなのねがいでつくる学校・教育実践」

  第2分科会  福祉 「障害者虐待の事案から考える"人"としての権利」

■15:30~16:00 全障研北海道支部総会


(2025年度)

■13:00~15:30 分科会

分科会①【教育】「特別支援学級が抱える困難から特別支援教育実践のあり方を問う」

  特別支援学級教員による不適切指導、特別支援学級教員が心身の不調などによって離職・休職に至るといった、 特別支援学級が抱える困難の把握と問題解決に向けた取り組みは喫緊の課題です。2008年度の特別支援学級児 童生徒数6920人に対して、2024年度は20360人であり、ほぼ3倍の伸びです。特別支援学校の場合は、 2008年度の4591人に対して、2024年度は5960人ですが、2020年度の6013人に比して減少して います。ちなみに2020年度の特別支援学級児童生徒数は16064人であり、特別支援学級に在籍している児 童生徒数が右肩上がりであることは明らかです。特別支援学級が量的増大しているのに対して質的充実が追いつ かないという実態にあることは容易に想像できます。また、2000年代後半から、関わり方に細かい配慮が必要 な自閉症や情緒障害の児童生徒数が知的障害の児童生徒数を大幅に上回るようになり、子ども理解の力がかつて なく求められています。

 以下は、ここ1~2年で耳にするようになったエピソードです。 

①「教室マルトリートメント」ともいえる不適切な指導による子どもの困難が新聞等で報道されるようになり ました。

②チームを組む同僚教員の不適切な指導を目にすることによって、心身に変調をきたし、学校に行けなくなっ たという教員からの訴えが目立ってきました。

③子どもの暴言や逸脱行動、いわば子どもが差し出す「行動障害」、換言すれば「問題行動」に耐え切れず、 学校に行けない、職を辞すという教員の例を聞くようになってきました。

 そのほか、長い教員歴をもつ教員でも、教材の準備や保護者対応が適切にできず、他の教員への負担が一層増 しているという訴えも聞くようになってきました。本分科会では、通常学級担任、特別支援学校担任など、さま ざまな来歴をもつ特別支援学級教員から話題提供をしていただき、参加されたみなさまとの議論をとおして上記 の課題に迫ります。

分科会②【福祉】 「今こそ"発達保障"の出番」

 昨年、全国で医療機関や介護事業所の倒産と休廃業が過去最多を記録、わたしたちの今とこれからの未来にと ってなくてはならない病院や施設がどんどん潰れています。障害者福祉事業所も例外ではなく、いのちと暮らし を支える貴重な資源が次々と消えています。その大きな社会的要因は、何と言っても医療や介護・福祉の報酬基 準の低さにあります。新型コロナウイルスの感染拡大もなお影響し、さらに物価高騰で事業運営が成り立たなく なっているのです。

  障害者自立支援法の成立から20年。事業所での不正や虐待などが相次ぐなかで、支援の質が問われ続けてき ましたが、今こそ障害のある人と家族の願いに応える発達保障実践の価値が真価を発揮する時代を迎えています。

 今年の福祉分科会では、報酬改定や人材不足など厳しい事業所運営に直面しつつも、障害のある人たちへの発 達的共感と権利の内実を大切にしながら、日々の実践にとりくんでいる皆さんに参加いただき、レポート報告と 交流を通して、実践の到達と課題を共有しながら、明日への展望を拓く分科会にしていきたいと考えています。

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