支部学習会記念講演

2023年度

「自閉スペクトラム症児者の心の理解」

別府 哲 さん (岐阜大学教育学部教授)

記念講演でお話をいただいた別府哲氏は、著書のなかで次のように述べています(『自閉スペクトラム症児者の心の理解』全障研出版部、2019年)。

「自閉スペクトラム症児者は人の心を理解するのが苦手。だから、コミュニケーションがうまくできない。そのため支援として心の理解を教えることが重要であると言われたりします。 しかし、コミュニケーションは、二人(双方)がわかり合うことで成立するものです。そう考えれば、コミュニケーションを深めるためには、自閉スペクトラム症児者に障害のない人の心を教える方向ではなく、障害のない人が自閉スペクトラム症児者の感じている世界を知る方向もとても大きな意味を持っているはずなのです。」

 本記念講演をとおして、自閉スペクトラム症児者が感じている心の世界に近づき、発達的理解に基づいた指導・支援の在り方について、ご参加いただく皆さんとともに学び、考えたいと思います。


2024年度

「みんなのねがいでつくる学校・教育実践」

川地 亜弥子 さん (神戸大学・全障研副委員長)


2025年度

「発達保障ってなに?―実践に活かすキーワード―」

藤野 友紀 さん (札幌学院大学人文学部人間科学科准教授 )

 みなさんは発達保障や発達保障論に対してどのようなイメージをお持ちですか?もし「発達を保障してあげる」 とか「できないことをできるようにする」といったイメージを抱いているならばそれは大きな誤解です。発達保 障論の中核にあるのは、「発達の主体は子ども」「教育は子どもの"思い"に"思い"を寄せるもの」という思想 だと私は思っています。発達保障論は粘り強い実践と真摯な振り返りの積み重ねから練り上げられてきたもので、 異なる現場にいる人たち同士が互いの実践について深く共有し語り合うための言葉と視点を提供してくれます。 今回は二通先生から貴重な機会をいただきました。はじめにお断りしておくと、私は発達保障論を完全に理解 していると胸を張って言えるわけではありません。でも皆さんと共に学ぶ中で、私自身もさらに理解を深められ たらと願っています。当日は、発達保障論の中でも特に魅力的かつ重要なキーワードを中心に、実践の中で子ど もをどう理解していくのか、教育をどう考えていくのかに迫りたいと思います。具体的なキーワードとして、「心 の杖」「ヨコへの発達」「発達的抵抗」「発達の連関」「間のあるかかわり」「子どもの発達要求(問題行動と発達要 求)」などを予定しています。また、発達保障の考え方に照らして、IQを指標に子どもの発達を捉えることの陥穽 についても考えてみたいです。  

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